マイケル・ムーア監督作品の映画『華氏119』を観てきました。
その内容が衝撃的だったので、感想を書きたいと思います。
映画の簡単なあらすじ
この映画の主役はアメリカの現職大統領であるドナルド・トランプです。
監督は医療問題を取り上げた「シッコ」や、前々大統領であるブッシュ政権時に上映された「華氏911」など、多くのドキュメンタリー映画を撮ってきたマイケル・ムーア監督。
本作は多くの人がありえないと断じていたトランプ大統領誕生の謎と、現在とこれからのアメリカについて描かれています。
初のドキュメンタリー映画鑑賞 感想は「おもしろかった」
ボクはドキュメンタリー映画を観るのは今作が初めてです。
FXトレードの参考になるかもしれないと思って観に行きましたが、「ドキュメンタリー映画って退屈なんだろうな・・・」と覚悟していました。
が、退屈な事なんて全然なく「本当におもしろかった」です。
ドキュメンタリー映画に「おもしろい」という感想が適切かどうか分かりませんが、そういう感想がまず浮かびました。
ブラックジョークと毒舌で語られる衝撃的な事実
退屈することなく観ることができた要因として、映画内での語りが堅苦しい説明口調でなく、ブラックジョークと毒舌をまぜながら語られたからと思います。
そうでなくては途中で寝ていたでしょう。笑
それでいて語られる内容が衝撃的です。
日本でもトランプ大統領の悪評は報じられていますが、実際にはそれ以上に酷いことがアメリカで起こっています。
以下ネタバレ要素を含みます
あちこちに話題が飛ぶが最終的にひとつの結論へ
映画の内容はトランプ大統領一色ではありません。
映画中盤からミシガン州フリントの汚染水問題、ウエストバージニア州の教師たちのストライキ、銃乱射事件で生き延びたフロリダ州パークランドの高校生たちによって行われたデモなどに話題が飛びます。
初見だとあっちこっちに飛ぶ話題に付いていくのが大変かもしれません。
実際にボクも「この話はトランプと関係があるのか?」と思いながら観ていました。
しかし続けて観ていくと、それらの問題が解決されないまま放置された結果、トランプ大統領という歪みが誕生したと思える構成になっています。
特にミシガン州フリントの汚染水問題は「こんなことがあっていいのか・・・」と、観ていて胸が痛みました。
トランプ大統領は現代のヒトラー!?
トランプ大統領は嫌われていながらも、多くの熱狂的な支持者に支えられて大統領になりました。
映画内ではその熱狂ぶりを、かの有名な独裁者だったヒトラーと比較して語られています。
単純な比較はできないですし、監督自身もトランプとヒトラーを本気で同一視しているわけではなくユーモアとして表現したようですが、確かに両者には共通点があるように思えます。
そしていまアメリカでは「Qアノン」と呼ばれる、トランプ大統領の熱狂的な支持者がいるようです。
こういうのを見ると、トランプ大統領を現代のヒトラーとするのもあながち間違いじゃないかもしれませんね。
社会的弱者の人たちも黙っていない
アメリカでは富める人たちはさらに富み、貧しい人たちはさらに貧しくなっているようです。
しかし社会的弱者の人たちも、ただ黙ってやられているだけではありませんでした。
ウエストバージニア州の教師たちのストライキや、銃乱射事件で生き延びたフロリダ州パークランドの高校生たちによって行われたデモなど、いままで発言権がなく虐げられてきた人たちがSNSなどの力を使って団結し、国を動かそうとしています。
これらの人たちが、いまアメリカを支配している閉鎖的な空気を打開するかもしれませんね。
最後に:これからのアメリカはどうなるのか?
映画を観てムーア監督の「このままではダメだ。いまのアメリカの姿を伝えなければならない!」といった想いが伝わってくるようでした。(完全にボクの勝手な感想です)
2020年の大統領選挙では、現職のトランプ氏が負けてバイデン氏が新大統領となりましたが、ムーア監督はこの選挙をどう見ていたのでしょうか?
ハチャメチャだったトランプ氏違い、バイデン氏は良くも悪くも「普通の政治家」といった感じです。
トランプはと反トランプはで分断されたアメリカを、これから新大統領がどうまとめていくのか注目ですね。