FXリスク管理の一般常識「2%ルール」について考える

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FXトレードのリスク管理に「1回のトレードの損失は2%までに抑えろ」という2%ルールがあります。

これはトレードの世界では一般常識のように言われていますが、なぜリスクは2%までなのでしょうか?

2%ルールについて、その理由を考えていきます。

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絶対に2%である必要はない!だが、2%をすすめるには理由がある

2%ルールは多くの有名トレーダーや、トレード本のなかで紹介されています。

有名どころなら「投資苑2」や「ラリー・ウィリアムズの短期売買法【改訂第2版】」で、1回のトレードの最大損失額は口座資金の2%以下にすることを強調しています。

賭け金の平均は2%で、ときには3%のときもあったがほとんどは1%未満だった。私は各トレードのトレード枚数は厳しく制限した。

引用元:「ラリー・ウィリアムズの短期売買法【改訂第2版】」 p356

 

トレーダーのシステムは儲ける手段、2%ルールは避け難い下落を乗り切る手段です。

引用元:投資苑2 p321

 

このように2%ルールがすすめられていますが、はっきり言ってしまうと、絶対に1回のトレードのリスクを2%以下にする必要はありません。

1回のトレードのリスクは5%でも10%にでもしていいです。

最終的にどれだけリスクを取れるかは自分のリスク許容度、自分が損しても不安、不快にならないレベルで決まりますから。

しかし!それでも多くのトレーダーや本、そしてボク個人としても2%ルールをすすめるには理由があります。

2%ルールがすすめられる理由

損失額が大きくなるほど苦痛が増し、正常な判断ができなくなる

人は得をする喜びよりも、損をする苦痛のほうが2倍大きいことが分かっています。

これは「プロスペクト理論」という行動経済学における有名な話で、一言でいうと「人は利益を得られる場面では確実性を選び、逆に損失をこうむる場面では最大限それを回避しようとする」ということです。

大きすぎる損失は正常な判断力を奪い、損失を回避するためならどんなリスクも取ります。

 

例えば10%のリスクを取って始めたトレードが含み損になりました。

含み損が自分にとって大きすぎる損失だったら、損失を回避するために決めていた損切り注文を移動する可能性が高くなります。

最悪の場合は強制ロスカットされるまで損切りから逃げることに……

ボク自身もこういったことを何度も経験してきました。

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連敗することを前提にしなければならない

トレードは勝ち続けることはできず、連敗することはざらにあります。

「ラリー・ウィリアムズの短期売買法【改訂第2版】」では、4連敗することを前提にリスク管理するように書かれています。

マネーマネジメント戦略の構築において最も重要なのは、4連敗することを前提に構築することである。

引用元:ラリー・ウィリアムズの短期売買法【改訂第2版】p354

連敗することが当たり前なのに、1回のトレードでリスクを取り過ぎたらどうなるでしょうか?

連敗によって大きく口座資金が減った状態では、次のトレードで勝っても利益はそれまでの損失以下となります。

稼ぐのは難しくても、損するのは簡単なのがトレードや投資です。

仮に100万円の口座資金で大きな連敗が続き、口座資金が半分の50万円になったとします。

残った50万円で元の100万円に戻すには、どれくらいの利回りが必要でしょうか?

以下が50万円の口座資金で50万円を取り戻すのに必要な計算です。

500,000(取り戻すお金)÷口座資金:500,000(残った口座資金)×100=100%

なんと!失くしたのは50%なのに、取り戻すには倍の100%の利回りを達成しないといけません。

実際には稼いだ分に税金がかかるので、もっと多くの利回りが必要です。

このように損失が大きくなればなるほど、取り戻すにはそれ以上のエネルギーが必要になります。

まとめ:2%ルールは相場のサメから身を守るため

成功しているトレーダーがリスクを小さく抑える大きな理由は、

  1. 正常な判断力を保つため
  2. 失ったら、失ったとき以上の利回りが必要だから

の2点と考察してきました。

リスクを大きくするほどリターンも大きくなるので、ついついリスクを大きくしたくなりますが、リスクを大きくするほど当然相場から退場する可能性が高くなります。

トレーダーは稼ぐこと以上に、生き残ることが重要です。

 

最後に「投資苑2」の一部を引用して締めます。

まず資金がトレーダーの命だとしたら、マーケットはサメになってひとかみでその資金を奪うことが可能で、そうなるとトレーダーは致命的な損失を被り、事実上ゲームから外れます。

引用元:投資苑2 p320

相場で生き残っていくためにも、適切な資金管理とルールを決めて、相場に潜むサメに食い殺されないようにしましょう。