年末年始のFXトレードが危険な理由とは、市場の流動性が低下するからです!
流動性が低下すると、相場はどういう動きをするのか?
これを知っておかないと、一撃退場の可能性もあります。
流動性ってなに?
確認のために、流動性とは何なのか説明しておきます。
流動性とは市場の取引量のことです。
つまり「流動性が低下する」とは「市場の取引量が少なくなっている」ということになります。
年末年始はどこの国も連休になるので、市場に参加する人間が少なくなることで、取引量が少なくなります。
では、流動性が低下するとどうなるのでしょうか?
流動性が低下すると・・・
スプレッドが大きく広がる
流動性が低下するとスプレッド大きく広がりやすくなります。
年末年始にスプレッドが広がりやすくなることは、取引に使っているFX会社から通知が来ているはずです。
通常時なら勝てていたトレードでも、スプレッドが広がったせいで損切りされてしまうということもあります。
特に超短期売買を繰り返すスキャルパーには、スプレッドの広がりは致命的です。
ボラティリティが極端に小さくなるか、極端に大きくなりやすい
流動性が低下すると、ボラティリティが通常より極端に小さくなるか、極端に大きくなりやすいです。
相場は取引があって初めて値が動くので、市場参加者が少なくなる年末年始はボラティリティが小さくなります。
逆にボラティリティが大きくなることもあるのですが、その理由は取引量が少ないところに大きな取引が入ると、反対方向の取引が無いので、大きな取引の入った一方向に一方的に動くからです。
⇒市場参加者が減って取引量が少なくなるから
ボラティリティが大きくなる
⇒取引量が少ないところに、一方向に大きな取引が入ると、反対方向の取引がないので、一方向に一方的に動く。
下の表はドル/円とユーロ/ドルで2014年末から2019年始までの、過去5年間の年末年始の値幅をまとめたものです。
クリスマスイブ前日の12月23日から(23日が土日の場合はその前後)12日間の値幅を調査し、年末直前の200日間の平均値幅と比較しました。
表の青字が200日間の平均値幅の半分以下だった日、赤字が200日間の平均値幅の1.5倍以上だった日です。
表を見ると、年末年始のドル/円は平均的な値幅からよく外れています。
ユーロ/ドルはドル/円に比べると大人しいですが、2016年末~2017始めに限ってみると、平均的な値幅よりも値幅が小さい日と大きい日が集中していて、不安定な年でした。
比較するために、通常の相場の状態として2019年9月1日~11月30日で200日間平均値幅から極端に外れた値動きの日を調べましたが、通常の相場と年末年始の相場では大きく違っていました。
調べた結果から、年末年始はボラティリティが小さくてトレード機会がなくイライラするか、ボラティリティが急に大きくなって大きな損をするか、どちらかになる可能性が高くなります。
最悪の場合はフラッシュクラッシュの可能性もあり
2019年前からFXをしていた人は覚えていると思いますが、2019年1月3日に瞬間的暴落、フラッシュクラッシュがありました。
フラッシュクラッシュも流動性が低下することによって、発生しやすくなります。
こういったときは損切りの逆指値注文を入れていても、注文が通らないことがあるので、非常に危険です。
自分がポジションを持っている方向に動けば爆益ですが、反対方向に動いてしまったら損切り注文も通らず一撃退場です。
最後に:年末年始のFXトレードはどうするか?
流動性の低下によって起こることを説明してきました。
- スプレッドの拡大
- 異常なボラティリティの増減
- フラッシュクラッシュ(瞬間的暴落)の可能性
では年末年始のFXトレードはどうしらたいいでしょうか?
一番いいのは休むことです。
トレードを控えて、持っているポジション(特に含み損のポジション)は年が終わるまでに解消する。
そして年始から新しくスタートする。
完全に相場から離れることで年末年始の予想しづらい相場で疲れず、フラッシュクラッシュのリスクを回避できます。
しかし、スイングトレーダーで含み益のポジションを持っていたらどうしましょうか?
建値から200pips、300pipsも離れていて、十分な含み益を抱えている状態なら、ポジションを持ち越すのはありだと思います。
いずれにしても、基本は休むことにして、ポジションを持ち越すなら十分なリスク管理をした状態で、新しい年を迎えましょう。