どんなに勝率の高い手法であっても、連敗することはあります。
そんなときに1回~3回の負けトレードで、口座資金を吹き飛ばすような資金管理だとトレードを続けられません。
そこで相場からの退場を防ぐために、1回の負けトレードにおける許容損失額を決めておきましょう。
勝率70%の手法で3連敗する確率は何%?
勝率70%の手法なら、かなりスゴイ手法でしょう。
少なくともボクの手法が勝率50%前後なので、雲泥の差です。(自分で言ってて悲しくなってきた……)
ですがいくら勝率が高くても、連敗することはあります。
では勝率70%で3連敗する確率は何%でしょうか?
ある事が連続する確率を求めるには、確率αを累乗することで求められます。
累乗とは、同じ数を繰り返しかけ算することです。
なので確率αが2回続く可能性を求めるなら、以下の計算式になります。
この計算式を使って、勝率70%の手法で3連敗する確率を求めます。
勝率70%なら逆に敗ける確率は30%なので、3連敗する確率を求めるには30%を3回かけ算すると分かります。
30%×30%×30%=2.7%
計算によって、勝率70%の手法で3連敗する確率は2.7%であることが分かりました。
これは小さい確率に見えますが、50回トレードしたら1回は3連敗することになります。
この連敗時に資産のほとんどを失ったら、いままで積み上げてきた利益が水の泡となります。
1回の損切りにおける許容損失額を決める
いくら連敗しても大丈夫なように、1回の損切りにおける許容損失額を決めましょう。
一般的に1回の損切りにおける許容損失額は、口座資金の2%とされています。
この2%ルールは、多くのトレード本ですすめられています。
口座資金が100万円だとしたら、1回の損切り額は2万円までになります。
1,000,000×2%=20,000
ここまでが一般的に許容損失額を決めるときのルールです。
ですが、口座資金は1回1回のトレードで変動します。
口座資金が変動するたびに、許容損失額を変えていてもパフォーマンスは安定しません。
なのでボクは許容損失額を計算するときに、口座資金の80%だけを使い、20%分の資金を余裕資金とするルールにしています。
このルールを適用した場合、口座資金が100万円だとしたら1回の損切り額は1万6千円までとなります。
(1,000,000×80%)×2%=16,000
口座資金の一部を使わずに余裕資産として残しておくことで、連敗していくらか資金が減っても、同じ許容損失額でポジションサイズを計算できます。
どれくらい口座資金が減ったら、許容損失額を減らす必要があるか?
ボクが紹介したルールの場合だと、余裕資金の20%分の資金がなくなったら許容損失額を減らします。
この20%分の余裕資金は、トレードで12回負け越さないと無くならない計算です。
口座資金:100万円
余裕資金:口座資金の20%=20万円
許容損失額:80万円×2%=1万6千円
余裕資金が無くなるには:20万円(余裕資金)÷1万6千円(許容損失額)=12.5回分の負けトレード
これだけの余裕を持たせておけば、余裕資金が無くなるまでに何らかの改善ができるでしょう。
逆に許容損失額を増やすタイミングはどうしましょうか?
これは口座資金が、元々の資金よりも25%分増えたらにしましょう。
元々の口座資金が100万円だったとしたら、125万円になったら許容損失額を増やします。
口座資金が25%分増えたら、許容損失額を増やして12回負け越しても、増やす前の口座資金に戻るだけで、元々の口座資金を守れるからです。
100万円×25%=125万円
許容損失額:(1,250,000×80%)×2%=20,000円
20,000×12回の負けトレード=240,000
⇒12回連続で損切りしない限り、許容損失額を増やす前の口座資金は守れる。
無秩序に許容損失額を上げてポジションサイズを大きくしたら、大きな損失を被ることになります。
許容損失額を増やすのは、減らすときよりも慎重になりましょう。
自分にとって最適な許容損失額は?
長々と許容損失額の計算方法を説明してきましたが、自分にとって最適な許容損失額、特にメンタル面でどうかも重要です。
1回の損切りにおける許容損失額は2%が基本としましたが、損切り額が一定額以上になると損切りをためらうようなら、許容損失額をさらに下げるべきです。
いくら2%ルールなら安全だと理屈で分かっていても、自分の心がそれを分かってくれるかは、また別の問題です。
ボクの場合だとそんなストレスから守るために、上記で説明した口座資金の80%分で計算するルールで資金管理しています。
逆に口座資金にたいして20%分の余裕をもたせるのは、かなり守備的な資金管理だと思います。
人によってはもっとリスクを取りたいと思うでしょう。
それなら1回の損切り額を口座資金の2%にするルールは徹底しつつ、余裕資金を20%分から10%分にしてもいいし、それ以下にしてもいいでしょう。
いずれにしても、自分の手法やメンタルと相談しながら、自分にとって適切な許容損失額を見つけてください。
最後に:資金管理はやりすぎなぐらいがいい!
経験則ですが、資金管理はやりすぎなくらいにガチガチにルールを決めた方がいいです。
なぜなら人は利益を得る喜びよりも、損失で受ける悲しみのほうが強いからです。(心理学でプロスペクト理論といいます)
一度大きく負けると、その負けを取り返すために無茶なトレードをして、最終的には退場するのがテンプレのようになっています。
そんなことのないように、資金管理のルールは最初から徹底しましょう!