経済・金融映画の金字塔として名高い「ウォール街」。
1987年に上映された映画ですが、いまでも金融映画で観ておくべき映画として名前が上がります。
1985年のニューヨーク ウォール街を舞台にして骨太な人間ドラマと熾烈(しれつ)なマネーゲームが繰り広げられる名作です!
あらすじ
舞台は1985年のニューヨーク ウォール街。
野心にあふれる若手証券マンのバド・フォックスは、一代で財を成したカリスマ投資家のゴードン・ゲッコーに営業をかけます。
初めはパドに興味を持たなかったゲッコーだが、パドが父親の働く航空会社”ブルースター・エアライン”の内部情報を話すとゲッコーは興味を示し、パドは注文を取ることに成功。
ゲッコーはパドを利用しながら導き、パドはゲッコーに導かれてウォール街でのし上がり金も女も手に入れた。
着実にゲッコーのような存在に近づいていくパドだが、あるときゲッコーの裏切りを知り決裂する。
ゲッコーは金を手に入れるため、パドはゲッコーの企みを阻止するために、師弟である二人の熾烈(しれつ)なマネーゲームが始まる!
ウォール街のネタバレ感想
80年代後半のアメリカ
映画の年代が1985年で、映画が公開されたのも1987年ですから、映像はどうしても古臭いです。
しかしだから映画の面白さが損なわれているか?と聞かれたら、答えはNOです。
むしろ当時のウォール街のことを知れる、ある種の記録映像のような面白さがあります。
映画のなかで出てくるドットで文字だけが表示されたパソコンや、株の注文を通すのに電話で指示する様子を見ると、時代は進んだことを感じられましたよ。
ゴードン・ゲッコーというキャラクター
映画全体から伝わることは、行き過ぎた資本主義への警鐘とお金には代えられないモノがあるといったメッセージでしたが、行き過ぎた資本主義の象徴であるゴードン・ゲッコーという格好良すぎる!!
なかでも株主総会での演説シーンで「Greed is good(欲は善である)」という名言が生まれます。
人は欲があるからこそ進歩してきたことを考えると、真理を言い当てている言葉ですよね。
これ以外にも資本主義を皮肉りながら含蓄のある言葉がたくさんあります。
映画が公開されてからゴードン・ゲッコーに憧れて投資銀行に入社する者が増えたり、ゲッコーのファッションをマネする者が増えるといった、ボクには確かめようのない話が見つかりますが、そうであってもおかしくない魅力がゴードン・ゲッコーというキャラクターにはあります。
二人の男の信念のぶつかり合い
下流層から苦労して一代で財を成したゲッコーと、ゲッコーに導かれながらも最終的にお金以外のモノに価値を見出したパドとの対立構造で物語のクライマックスが進みます。
どちらにも言い分があり、どちらの考え方にも共感できます。
マネーゲームという形ではありますが、そこで描かれているのは二人の男の信念のぶつかり合いです。
小難しい金融知識は最小限にして骨太な人間ドラマを描いているから、この映画を名作にしているのだと思いました。
最後に
投資やトレードをしている人にとっては、本場の金融の現場を知りながら楽しめる一作に。
それ以外の人も金融用語は極力少ないので、骨太な人間ドラマを楽しめる一作になっています。