5・10日(ごとうび)の仲値トレードという、5と10のつく日にドル/円をトレードする有名な手法があります。
今回は5・10日(ごとうび)の仲値トレードで勝てるか検証してみました!
5・10日(ごとうび)と仲値とは?
5・10日(ごとうび)とは、5と10がつく5日・10日・15日・20日・25日と月末のことで、この日に国内企業の海外への送金や決済などのドル取引が集中しています。(5・10日(ごとうび)が土日祝日で休みの場合は、前日が5・10日(ごとうび)となる)
下のカレンダーの場合、赤丸を付けた5、10、15、19、25、31日が5・10日(ごとうび)です。
ドル取引の集中する5・10日(ごとうび)の中でも、特に仲値が決まる時間帯に企業のドル買い需要が増えて、ドル/円は上昇(円安)しやすいといわれています。
では、5・10日(ごとうび)特有の値動きを利用すれば勝てるのでしょうか?今回はそれを検証していきます。
5・10日(ごとうび)の仲値トレードをバックテスト!
バックテストした結果から先に言うと、勝てそうな結果を得られています。
検証するデータはウェブチャートのTradingView(トレーディングビュー)からダウンロードしてきました。
データの期間とチャートは、2018年~2020年のドル/円の1時間足チャートです。
本当に5・10日(ごとうび)の仲値決定前はドル/円が上昇しやすいのか?
最初によくいわれるように、本当に5・10日(ごとうび)は仲値が決まる時間帯に上昇しやすいのか、5・10日(ごとうび)以外の通常日と比較して確かめます。
検証方法は仲値が決まる9:55を含む、9:00の1時間足の終値から始値を引いて、プラスのときは陽線(上昇)でマイナスのときは陰線(下落)となるので、陽線(または陰線)になる確率の差を比較します。
5・10日(ごとうび)の仲値が決まる時間帯は本当に上昇しやすいなら、陽線の確率が高くなるはず。
検証して比較したデータがこちらです。
データ数 | 陽線 | 陰線 | |
---|---|---|---|
通常日 | 572日 | 275(48.08%) | 294(51.40%) |
5・10日 | 204日 | 117(57.35%) | 86(42.16%) |
5・10日(ごとうび)は何もない通常日と比べて、9:00の1時間足は10%近く陽線になる確率が高くなっています!
本当に5・10日(ごとうび)は、仲値が決まる9:00~10:00にかけて上昇しやすいみたいです。
検証した期間は全体的に下降トレンドだったにもかかわらず陽線になりやすいことから、トレンドもあまり関係ないことが分かります。
5・10日(ごとうび)の9:00に買ってバックテスト
5・10日(ごとうび)の9:00~10:00は上昇しやすいことが分かったので、9:00の始値で買って終値で売るだけの単純な手法でバックテストしてみます。
バックテストの条件は以下の通りです。
バックテストした結果、勝率は57%で実現損益は+195.5pipsでした。
ただ5・10日(ごとうび)の9:00に買って10:00に売るだけの単純な手法ですが、それだけでまずまずの成績になっています。
1回あたりのトレードの獲得pipsが+0.96pipsと、利益が小さすぎてこのままでは使えませんが、もう少し検証をすすめれば実戦で使えそうです。
8:00始値で買い、9:00終値で決済したときをバックテスト
1時間足の9:00の始値で買い、終値で売るだけの手法で良い結果が得られたので、次は8:00の始値で買い、9:00の終値で決済する手法でバックテストしてみます。
バックテストした結果、勝率は少し落ちますが、損益pipsは大きく伸びることが分かりました。
「9:00の始値で買う」条件から、「8:00の始値で買う」条件に変えただけで、損益pipsが175.1pipsも増えています。
少し条件を変えるだけで、大きく結果が違ってきますね。
曜日別の成績を確認すると驚きの結果に!
その後もいろいろ条件を変えて検証してみましたが、あまりいい結果が得られなかったので、発想を変えて条件はそのまま(8:00始値で買い、9:00終値に決済)に曜日別に差があるか確認してみました。
曜日 | データ数 | 勝ちトレード | 勝率 | 損益pips |
---|---|---|---|---|
月曜 | 26 | 7 | 26.92% | -185.9pips |
火曜 | 27 | 21 | 77.78% | +315.0pips |
水曜 | 31 | 18 | 58.06% | +49.6pips |
木曜 | 33 | 16 | 48.48% | +16.4pips |
金曜 | 87 | 50 | 57.47% | +175.5pips |
なんと!曜日によって成績に大きく差がありました!!
一番成績の良かった火曜日の損益pipsが315.0pipsに対して、一番成績の悪い月曜日の損益pipsは-185.9pips。500pipsほどの差があります。
調べるまでは曜日で差はないと思っていたので、驚きの結果でした。
調べた結果から5・10日(ごとうび)トレードは、特に成績の良かった火曜と金曜に絞ってトレードしたほうが良さそうです。
バックテストした結果のまとめ
ここまで5・10日(ごとうび)の仲値トレードを検証してきました。
- 5・10日(ごとうび)の仲値決定前はドル/円が上昇しやすい
- 5・10日(ごとうび)の8:00で買い、10:00で決済する単純な手法でプラスになる
- 理由は分からないが、5・10日(ごとうび)が火曜と金曜だと勝率とリスクリワードが高い
検証を進めてみて勝てそうな結果が得られたので、リアルトレードで5・10日(ごとうび)の仲値トレードをヒロセ通商【LION FX】の時間指定注文を使ってリアルトレードで検証してみます!
リアルトレードではバックテストのように損切りの逆指値注文を入れずにトレードするのは怖いので、検証では上記の②と③のポイントに加えて、-15pipsの損切り注文を入れた手法でトレードしました。
50回分の5・10日(ごとうび)トレードをリアルで試した結果!
リアルトレードで検証した結果は2021年1月29のトレード~2022年5月31日までの50回分のデータです。
- トレード回数:50回
- 勝率:44.0%
- 損益pips:+17.6pips
- リスクリワード:1:1.36
- 最大連敗数:10回
- 最大利益57.3pips
結果としてはプラスになっていますが、バックテストから期待したほどではありません。
1回のトレードで期待できる利益が0.352pips(損益pips17.6÷50回)では、少し連敗があれば利益で損失をカバーできずにすぐにマイナスになるでしょう。
期待した結果が出なかった原因としては、3つのポイントが考えられます。
- バックテストの段階で1回のトレードから期待できる利益が小さかった。
- 損切り注文の設定が甘かった。
- スプレッドの広がりによるトレードへの悪影響。
ポイント②の損切り注文の設定は見直しの余地がありますが、ポイント③の早朝の相場の流動性が少なく、スプレッドが拡がりやすいことによるトレードへの悪影響が思っていた以上に大きかったです。
実際に不意な損切りや、不利な利食いなどが検証中でも数回確認しました。
ただでさえ1回のトレードで期待できる利益が小さいのに、バックテストでは確認できなかった要因が悪さをすれば、結果が悪化するのは分かります。
2022年のドル円相場は特に強い円安ドル高の相場で、本来買いポジションを持つには有利な相場のはずなのに今回のショボい結果では、大きなポジションは持ちにくいです。
結論として、5・10日(ごとうび)トレードは勝率50%前後でありながら、小さい利益しか期待できない手法となります。
実戦のトレードに使うなら、メインのトレード手法として使うよりはサブ的な手法として小さい利益を積み上げていくか、今回の手法をさらに改善する必要があるでしょう。
ボク個人としては今回の結果を受けて、5.10日(ごとうび)トレードからは検証も含めて、完全に手を引くことに決めました。
決まった時間にトレードしたいときは時間指定注文ができるFX口座が便利!
5・10日(ごとうび)トレードのようなトレードする時間が決まっている手法は、時間指定注文ができるFX口座でトレードすると便利です。
トレードする時間を指定して注文できるので、チャートに張り付く必要がなくなって楽ができますし、事前に注文しておくことで、トレードすること自体を忘れるといったミスも無くせます。
時間指定注文ができるFX口座はいくつかありますが、ボクはヒロセ通商【LION FX】でトレードしました。
1000通貨からトレードできるので少額で始められますし、時間指定注文以外にも多くの注文方法が用意されているオススメの口座です。