アメリカの伝説的な相場師ジェシー・リバモア。
そんな彼の投資理論、哲学について書かれた本が2冊あります。
「欲望と幻想の市場」と「世紀の相場師ジェシー・リバモア」の2冊です。
どちらの本もリバモアの生涯を追いながら、現代でも通じる普遍的な投資理論と哲学を学べます。
ですが内容が似たような2冊の本、どういう違いがあって、どちらを選んで読めばいいでしょうか?
どちらも読破したボクが2冊の違いとオススメを紹介します!
ジェシー・リバモアとはこんな人物
ジェシー・リバモアは貧乏農家に生まれながら、裸一貫で相場の世界に飛び込み成功した人物です。
何度も失敗と破産も経験していますが、そのたびに失敗から学び復活する姿は痺れます。
特に1929年4月に起こった世界恐慌のときに大量の売りポジションを持っていて莫大な利益を得たエピソードは、「ウォール街のグレート・ベア」と呼ばれるにふさわしい成果を上げました。
すでに100年ほど前の人物ですが、彼の投資理論と哲学はいつの時代も変わらない人間の普遍的な心理を基にしているので、現代でも通じるものです。
ボク自身も2冊の本をヒントにした手法を使ってトレードしています。
ジェシー・リバモアについて書かれた2冊の本の違い
リバモアについて書かれた2冊の本の違いですが、それぞれ一言で表すなら「欲望と幻想の市場」は相場師リバモアのノンフィクション小説。
「世紀の相場師ジェシー・リバモア」はリバモアという人間の詳細な記録です。
「欲望と幻想の市場」は投機家ジェシー・リバモアのノンフィクション小説
「欲望と幻想の市場」は全盛期のリバモアにインタビューして書かれたもので、リバモアのプライベートな面は極力描写せずに、相場に関わるリバモアに焦点を絞って書かれています。
リバモアはどのように成功し破産したのか?
破産してからどのようにして復活したのか?
そういった一番知りたいことを主人公リバモアを通して一気に、それでいて面白く投資理論や哲学を知ることができます。
「世紀の相場師ジェシー・リバモア」はリバモアという人間の詳細な記録
「世紀の相場師ジェシー・リバモア」はリバモアの死後に関係者へのインタビューや残された資料から書かれていて、「欲望と幻想の市場」と違ってリバモアの人間関係や女性問題などのプライベートな部分の描写が多いです。
文体もリバモアを主人公とした一人称視点ではなく、客観的な三人称視点で書かれているので、リバモアという人間の詳細な記録といった面が強くなっています。
どうでもいいプライベートな描写も増えているので、リバモアの投資理論や哲学を手っ取り早く知るには「欲望と幻想の市場」よりも不向きになっていると思います。(その分リバモアの理論や哲学はさらに詳しく書かれている面もありますが)
リバモアの投資理論や哲学を知りたいだけなら「欲望と幻想の市場」がオススメ
リバモアの投資理論や哲学を知りたいだけなら、「欲望と幻想の市場」がオススメです。
「世紀の相場師ジェシー・リバモア」のほうが確かにリバモアの理論や哲学が詳しく書かれていますが、「欲望と幻想の市場」でもそれは十分に知ることができます。
知りたいことは「欲望と幻想の市場」ので十分知れるのに、「世紀の相場師ジェシー・リバモア」では余分なこと(リバモアの女性問題や、泥棒に入られた話など)が多く、手っ取り早くリバモアの投資理論や哲学を知るには不向きだと思いました。
「欲望と幻想の市場」を読んだ後で、もっと詳しくリバモアの投資理論や哲学を知りたい、プライベートな面も含めてリバモアという人物を知りたいというなら「世紀の相場師ジェシー・リバモア」がいいと思います。
特に最後の14ページに渡ってリバモアのルールがまとめられている付録は、個人的に定期的にここだけ繰り返し読みたいレベルでよくまとまっています。
最後に:好みはあるがどちらか一冊は読んで損の無い名著
ジェシー・リバモアは今なお語り継がれる伝説の相場師であり、その偉大さはトレーダー必読の書として有名な「マーケットの魔術師」でインタビューを受けた多くのトレーダーが読むべき本として、「欲望と幻想の市場」を上げていることからも知ることができます。
どちらを選んで読むか自分の好みや目的で変わると思いますが、どちらか一冊は読んでみてほしいです。
どちらかを選ぶのにこの記事が参考になったなら幸いです。