「マーケットの魔術師」感想-勝ち組トレーダーの共通点

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書評

ブログで紹介されることの多い「マーケットの魔術師」。

アメリカのトップトレーダーたちのインタビュー集ですが、初版の発行から30年以上経ついまでも多くのトレーダーに読まれている名著です。

今回は「本に出てくるトップトレーダーたちの共通点は何なのか?」、という点に絞って感想として紹介していきます。

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トップトレーダーたちの共通点

トップトレーダーたちはそれぞれ自分に合ったやり方で成功していますが、共通している点も多いです。

自分のスタイルを確立している

本に出てくるトレーダーたちの手法はいろいろで、同じアプローチをしている人はいません。

ファンダメンタルズ派やテクニカル派、順張りが得意なトレーダーがいれば、逆張りトレードを好む人もいます。

トレードの時間軸も短い時間に何度もトレードを繰り返すスキャルパーや、反対に年単位でポジションを保有するポジショントレーダーもいました。

どの手法が良い悪いという話ではなく、トップトレーダーたちに共通しているのは自分に合ったトレードスタイルを確立しているという点です。

どんな手法であっても結局は自分の性格、生活スタイルに合った手法でないと長続きしないし、正しく実行できないからでしょう。

売買ルールが自分自身のトレードのスタイルを反映したものでないかぎり、トレーダーは長い間ルールに従うことはできないと思う。

引用元:マーケットの魔術師 p170エド・スィコータ

損切りは絶対する

手法はそれぞれ違っていましたが、トップトレーダーたちで共通していたことが損切りは絶対という点でした。

多くはポジションを持つと同時に損切り注文を入れていて、そうでない人でも自分が間違っていたと認めたら感情を排して即損切りしています。

「ボクは損切りをしない」という人は一人もいませんでした。

Q 言い換えれば、トレードで成功するためにはいかに損失をしないようにするかであって、損を恐れることではないと。

それはうまい言い方だ。私は損を恐れない。トレーダーが損を恐れ始めたら、それで終わりだ。

引用元:マーケットの魔術師 p351ブライアン・ゲルバー

 

損失を確定するのは辛いことですが、損が小さいうちに損切りをしないと、最終的に致命傷レベルにまで損失がふくらむことになります。

損失を小さく押さえて、利益を大きくする。これが基本となります。

資金管理を徹底して資金を守る

「損切りは絶対する」という内容と被りますが、トップトレーダーたちは稼ぐことよりも、資金を守ることを重視しています。

【資金管理の例】

  1. 一度に大きなポジションを建てない
  2. 一回のトレードで持つリスクの量を限定する
  3. ナンピンはしない

自分の資金を守るために資金管理のルールは絶対に守り、絶対に規律を破ることはないそうです。

特にナンピンをしないという点は本の中でも多くのトレーダーが言っていました。

Q あなたが従っている最も重要なトレードのルールは何ですか。

ナンピンは決してしないこと。

引用元:マーケットの魔術師 p354ブライアン・ゲルバー

状況が悪いときはトレードをしない

「休むも相場」という格言もあるように、本に出てくるトレーダーたちは自分のルールに照らし合わせて、「確実に勝てると確信したとき」または「勝つ可能性が高い」と判断したときのみトレードします。

それに対して一般的なトレーダーは、トレードをし過ぎていると言われていました。

Q なぜ多くのトレーダーは損するのですか。

トレードしすぎると思う。手数料の値幅を抜くためにトレードしているようなものだ。

引用元:マーケットの魔術師 p152ゲーリー・ビールフェルド

 

特にボクたちは連敗が続いている悪いときほど、損した分を取り戻そうと無理にトレードをしてしまいますが、トップトレーダーは逆にそうしたときほど相場から離れて悪い流れを断ち切っています。

Q 自分の判断が間違ったために損をした場合にはどうするんだい。

一日休みをとる。そしてとことん傷ついているなら、日光浴をしながら頭のモヤモヤをすっきりさせる。

引用元:マーケットの魔術師 p388トニー・サリバ

トップトレーダーたちは総じて相場との向き合い方が上手いと感じました。

最後に

ボクは以前に一度読んだことがありましたが、トレーダーとしての経験値が増えた現在になって再読してみたら新しい発見もありました。

一冊手元に置いておいて調子が悪いときに読み直せば、自分を振り返るいい切っ掛けを作れる本だと思います。